ページの先頭へ
■国別のリストに戻る
■フランス 「パリ」のリストに戻る
ジャヴェル駅
Gare de Javel
ジャヴェル駅
は、1900年のパリ万博に合わせて、郊外鉄道ムリノー(Moulineaux)線が都心に乗り入れた際に作られた新駅の一つ(現存するのはジャヴェル駅のみ)。主に歴史的建造物の修復を行ってきた建築家ジャスト・リッシュ(Juste Lisch)が、アーツ・アンド・クラフツ(Arts & Crafts)運動の延長線上でデザインした作品。どの解説にも、「中国の仏塔(pagoda)」形式などと書かれているが、仏塔の基本形状は多段式の塔を指すので、フランス人が中国の建築事情を理解せずに書いた表現としか思えない。ジャヴェル駅舎は、通りに面した玄関側が立派で、明るい黄橙色が白い玄関を囲み、黄橙色の部分には、軒裏の交互の斜線から始まり、下に向かうにつれて各種の細かな模様が散りばめられている(1枚目の写真)。参考までに、アーツ・アンド・クラフツの一例として、1869年にテムズ川に架けられたブラックフライアーズ(Blackfriars)橋の装飾部分の写真を2枚目に載せる。3枚目の写真は、ジャヴェル駅のプラットホーム側(線路は駅舎の下を通っている)で、かなり単純化されたデザインになっている。ただ、3枚目の写真だと、“屋根の中央にもう一つ屋根が乗っている” のがよく分かり、これが「中国の仏塔」形式云々という表現の由来だと分かる。最後に、順番が逆だと思われるかもしれないが、建造当初の絵葉書を4枚目に付ける。これが、一番「仏塔」を思わせるからでもあるが、理由は、1979年の調査で駅舎がかなり老朽化していることが判明し、駅舎が歴史的建造物に指定されているミラボー橋に隣接していることから、当初の設計図に倣って1980年に再建されたから。