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アンドレ=シトロエン公園 ①
Parc-André-Citroën 1
アンドレ=シトロエン公園
はパリで一番新しい公園。14haの広大な土地は、かつて、シトロエンの創業者アンドレ=ギュスターヴ・シトロエン(André-Gustave Citroën)が1919年に車の生産を開始した場所。その時の工場は1976~84年に解体され、パリ市はその跡地に1986~92年に公園を作り、創業者に敬意を表して公園の名前とした。公園の設計者は、造園家のジル・クレマン(Gilles Clément)とアラン・プロヴォ(Allain Provost)、建築家のパトリク・ベルジェ(Patrick Berger)とジャン=フランソワ・ジョドリ(Jean-François Jodry)とジャン=ポール・ヴィギア(Jean-Paul Viguier)。公園は多様な構成なので、3つに分けて紹介する。そして、毎回同じ地図を付けて、撮影箇所や解説文中の指摘場所を番号で示す。なお、地図は上が北ではない(右の方位マークに注意)。地図の下の青い部分はセーヌ川(右が下流)。
公園のセーヌ川寄りの北入口から入ると、1本の散策路が真っ直ぐ伸びていて、その両側に、一定間隔でパリらしい白色石灰岩を精緻に積んだ5個の “巨大な植木箱” が両側に並んでいる(1枚目の写真、❶)。木の植わっている位置は高く、登ることのできない急な石階段が8段ついていて、その上に1本だけ異なる樹種の木が植わり、階段以外の場所は石の壁で囲まれている。その不思議なムードの小道が終わって左に曲がると、少し淡い黄色の石灰岩でできた箱状の “日陰の植物の家” が2棟ある(2枚目の写真、❷)。中を覗くと、屋根はなく、隙間の空いた木の板が並んでいて、弱い光が湿生植物を生き生きとさせている(3枚目の写真)。次に、先ほどの❶の散策路まで戻り、セーヌ川に沿って南に行くと、公園の南半分を占める典型的な “アクスを重視したフランス式庭園❸” があり、そこを突っ切って反対側の石灰岩の壁に開いた入口から覗くと、すぐ向こうに同じような出口があり、その間の狭い空間の両側に、水の流れる斜路が見える(4枚目の写真、❹、写真は
逆
方向から撮っている)。左右の斜路に使ってある石灰石は同じで、正方形にカットした滑らかな表面の石。違うのは、斜面の角度と、段差の有無。左側にあるのは、緩やかな斜面を、“水が流れているとは気付かない” ほど、浅く静かに流れ下る水(5枚目の写真)。それに対し、右側は、4段になった急勾配の斜面を 飛沫を上げて荒々しく流れ落ちる水(6枚目の写真)。斜面の素材が同じでも、角度と段差でこうも違うのかと驚かされる。何という、面白いアイディアだろう。静と動を巧みに演出した素晴らしい空間だ。そして、ここから出ると、その向こう側に、長方形の枠に仕切られた中に、色々な植物が規則的に植えられた斜面花壇が右側に続いている(7枚目の写真、❺)。何となく、淡路夢舞台(2000年)の百段苑を思い浮かべてしまう。