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 モントーバンのヴュー橋  Pont Vieux
 モントーバンのポン=ヌフ  Pont-Neuf 

トゥールーズ伯アルフォンス・ジュルダン(Alphonse Jourdain)によって、タルン(Tarn)川沿いにモントーバンの町が作られた時(1144年)、彼は戦略的な理由から、設立憲章に橋の架設を明記した。しかし、できたばかりの町にそのような資金はなく、渡し船が使われ続けた。1303年に国王フィリップ4 世がトゥールーズを訪れた時、トゥールーズの領事は支援を要請し、国王は橋の建設資金を調達するための勅許を与え、町を通過するすべての “よそ者” に税を課すことを許可した。資金が集まり、1311年に橋の工事は始まるが、繰り返された資金の不正流用で工事は進まず、完成は1335年とかなり遅れた。こうして出来たヴュー橋は、町の中心でタルン川を渡る。長さは205m。スパン21.38~22.75mとすべて大きさが異なる尖頭アーチが7つ並ぶ煉瓦橋(この地域は、石材の入手が困難なため、近くの中核都市トゥールーズでも煉瓦橋が作られた)。橋脚前後の尖った三角は洪水時の急流から橋を保護するため。橋脚上の開口部は、増水時に水を流して橋の上流側の水位を下げるため。ヴュー橋は1830年に拡幅されたが、橋そのものの外観は変えず、橋本体の上に張り出し式の歩道を付け、それをモールディングで支えるという洒落た手法が採用された。「歴史的建造物」指定は1911年。1枚目の写真は、上流側から全景を撮ったもの。中央の橋脚に洪水時に上流から流れてきた木材がひっかかっている。2枚目の写真は、拡幅の様子を近くから撮ったもの。
 



モントーバンに2つ目の橋を架けるにあたり、県の評議会に諮問委員会が作られ、1910年5月4日に鉄筋コンクリート専門の建設会社に対し入札を開始、11月19日にシモン・ブシロン(Simon Boussiron)が提出した案が選ばれた。その内容に対し、審査員の1人が変更を提案し、それが認められ、長さ137m、スパン56mと53mの2径間のRCアーチを、高強度セメントを使って作ることが決まった。ポン=ヌフの完成は1912年。1枚目の写真は、その全景だが、橋脚の上に巨大な “穴” が開いている構造に驚かされる。その理由は、「タルン川の特徴の一つは、その水位の高さにある。12時間で6mも増水し、渇水時からは10mの高さに達する。そのため、水の流れを妨げないよう、透過性の高い構造にする必要があった」から。2枚目の写真は、中央の橋脚を拡大したもの。大きな “穴” の四隅は内部も含めて曲線になっていて、上部の角には装飾も入っている。機能とデザインの素晴らしい形での調和だ。ここでも、上流からの材木が大量に乗っているが、橋台の先端にはヴュー橋に合わせて煉瓦が張ってある。この新橋も、2005年に「歴史的建造物」になった。