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トゥールーズのサン=ピエール橋 Pont Saint-Pierre
トゥールーズのサン=ミシェル橋 Pont Saint-Michel
1987年に完成した
サン=ピエール橋は、トゥールーズの「歴史」になっているポン=ヌフとカタラン橋に挟まれ、両方の橋に共通した連続アーチを鋼トラスで表現し、中世から19世紀にかけてのイメージを橋脚の形や色と装飾、街路灯で表現したレトロなタッチの橋。橋のデザインの名手ジャン・マリウス・ミュラー(Jean Marius Muller)が立ち上げた専門家チーム、J. Muller International によって設計された。橋の長さは240m。中央の3連がスパン55.0mの5連の上路トラス橋。その見どころは、中世の橋を思わせる橋脚。煉瓦を張った橋台の先端を三角にし、その上のコンクリートの塔を、2段にして高欄の上まで立ち上げている。街路灯は、一転してナポレオン3世様式。トラスの部分の深い青緑色と、橋脚上部に塗られた煉瓦色は、橋の南端の東の角にある、1845年に建てられたサン=ジョセフ・ドゥ・ラ・グラーヴ礼拝堂(Chapelle Saint-Joseph de la Grave、1978年に歴史的構造物)のドーム屋根と、煉瓦の壁にぴったり合っている。1枚目の写真は、橋の全景。2枚目の写真は、礼拝堂と如何に色が同じかを見せるための構図。
サン=ミシェル橋は、カタラン橋やサン=ピエール橋と違い、ポン=ヌフの約750m上流側で最初の橋。他の2橋がポン=ヌフに敬意を表したデザインになっていたのに対し、若い頃にブティロン橋を架け、一躍有名になったユージェーヌ・フレシネー(Eugène Freyssinet)が最後から3番目に架けたサン=ミシェル橋は、ポン=ヌフを芸術的に解釈した橋になっている。それは、PC方杖ラーメンを連続させた特異な構造で、橋脚を水面ぎりぎりに置くことにより、水平に近い桁部分のアーチと、隣り合った方杖の “上部がアーチになった三角形” が、ポン=ヌフのアーチ構造と、橋脚の開口部へのオマージュとなっている。トゥールーズの4橋の中では一番斬新なので最後にもってきたが、この橋がサン=ミシェル橋より26年も前に出来ていた(1961年)とは信じ難い。因みに、全長は326m、スパン65.2mの5連。1枚目の写真は全景。2枚目の写真は、隣り合った方杖の部分の細部まで拘った配慮を撮ったもの。