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 マルティーグ橋  Pont de Martigues 

マルティーグ橋は、ベール湖(Étang de Berre)とブック港(Port-de-Bouc)を結ぶカロント(Caronte)運河を跨ぐ高速道路A55のため、1972年に架けられた長さ300mの鋼方杖ラーメン橋を含む高架橋。運河を跨ぐ部分の鋼方杖ラーメンは、下を通る船に配慮して、高さ45mの空間を確保するように設計された。橋の下部でのスパンは210m。そこから斜めに立ち上がった2本の方杖で支えられた橋の上部では、スパンが130mまで狭くなっている。これが「方杖=斜めの補強」と呼ばれる理由。世界中に方杖ラーメン橋は数多く存在するが、一般的な構造は、①上と下が同じ幅の板状方杖、②下に行くほど広がる2本の柱状方杖、のいずれかで支えるスタイル。マルティーグ橋のような巨大な橋(2000t)にもかかわらず、方杖が逆三角形(長さ57m、上部の幅10.6m、厚さ4m、下部の幅2m、厚さ1.5m)で、一番下がヒンジ(回転可能な支点、深さ 15 m に築かれたRCの塊で支えられている)になっている例は見たことがない。なお、南仏でも地震はあるので、地震の衝撃を吸収する巨大なオイルピストンが上部に設けられている。1枚目の写真は、斜め横から橋全体を撮ったもの。2枚目の写真は、橋の下のやや左から撮ったもので、錯覚のような奇妙な造形が面白い。この橋は、1976年のECCS(欧州建設用鋼構造会議)の橋梁部門賞を受賞したが、その理由の中には、大胆な施工法も入っていた。その様子を示すのが、3枚目に掲載した写真。岸壁で溶接製造された1590tの長さ300mの中央桁をバージ船でここまで運び、両端に設置した巨大な塔を使って持ち上げるという大胆な手法が採用された。