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 ブティロン橋  Pont de Boutiron 

鉄筋コンクリート発祥の地フランスを代表する2人の技術者の1人、ユージェーヌ・フレシネー(Eugene Freyssinet)の初期の代表作、ブティロン橋(1912年)。フレシネーが前年に架けたヴールドル橋(Pont du Veurdre)で、コンクリートを打ち終わってしばらくしてからアーチの中央が13cm下がっていることに気付き、水平にしようとジャッキで上げ、隙間にコンクリートを流し込んだ。これが、コンクリートには遅れて変形が現われる「クリープ現象」があることの世界初の発見。そこで、フレシネーは、翌年手掛けたブティロン橋では、予めそうした現象に対応できるよう、アーチの先端にジョンイントを設けた(これは一種のプレストレスで、PC橋の原点とも言える)。ブティロン橋はスパン67、72、67mの3連のアーチで、石や煉瓦の時代と異なり、路面とアーチの間にトラスがジグザグに組み込まれている。こうした変わった構造にした理由は、フレシネーがこのプロジェクトに対する入札を “低価格” で勝つための工夫(鋼橋の場合は、トラスを活用して鋼材を節約する方法が、鉄道橋の進化とともに、19世紀の半ばまでに確立していた)。フレシネーは、それを上手にRC構造に採用しただけ。フランスでは、他にも鉄筋コンクリートでトラスを作った例がある。1枚目の写真は、普通に撮ったブティロン橋。2枚目の写真は、この橋が如何に扁平であるかを示すために少し離れてより正面近くから撮ったもの。3枚目の写真は、逆に橋のすぐ近くの下から撮ったもの。中にトラスが入っていることで、見方によって表情が全く異なるのが面白い。4枚目の写真は、クローズアップだが、高覧のデザインも、アーチとトラスが組み合されている。ブティロン橋は、2021年に「歴史的建造物(Mimument histoque)」に指定された。