ページの先頭へ

■国別のリストに戻る     ■フランス 「城と教会」のリストに戻る

 ロンシャンのノートルダム・デュ・オー礼拝堂  
                   Chapelle Notre-Dame du Haut, Ronchamp 

【世界遺産】ロンシャンのノートルダム・デュ・オー礼拝堂は、20世紀を代表する建築家ル・コルビュジエ(Le Corbusier、1887~1965年)の最高傑作の一つ。ロンシャン市のブーレモン(Bourlémont)の丘の上に建っていて、1944年の爆撃で破壊された聖母マリアに捧げられた古い礼拝堂の跡地に、1950~53年にかけて建設され、1955年6月25日、正式な祝福を受けて礼拝堂となった。ル・コルビュジエの計画は(周辺及び歴史的)環境との調和に配慮したものだった。彼の計画では、礼拝堂はその場所と完全に一体化する必要があった。すなわち、新しく建てる礼拝堂の場所は、原則として以前の礼拝堂と同じで、その場所で見つかった礼拝堂の石材も一部意図的に使われた(建物はコンクリート構造物)。ル・コルビュジエの建築物の原案は通常多くの着想の集積から出来上がっているが、ロンシャンの場合、主たる一つはロングアイランドのビーチで彼が拾った蟹の甲羅で、それは、彼が大切にする「詩的反応」を持つ物体だった(ル・コルビュジエは、散歩中に集め、建物の設計に着想を得た貝殻、根、小石、樹皮の破片など、強力な象徴的意味を体現した自然の芸術作品を「詩的反応の物体」と呼んでいた)。ある専門的なサイトで、ル・コルビュジエ本人の言葉が紹介されている。分かりにくいので、()内に解説を加えながら訳すと、以下のようになる。「いろいろな人が、ロンシャンの秘訣とは何なのかと、私に尋ねます。提起された課題(歴史的な場所における新しい礼拝堂をどんなものにするか)に対し、“私は調和のとれた探求を目指した” と答える以外にありますか? それは、福音、道義、場所、4つの地平線(維持管理への配慮、効率化や改善、変革、先見の明)、手段、蟹の甲羅です」(1961年)。

1枚目の写真は、一番ポピュラーな角度(南側)から撮ったもの。太陽光が中に入るよう、壁には多くの窓(形も場所も光の角度もすべて違う)が開いている。それを、礼拝堂の内部から見ると、2枚目の写真のように、非常にユニークな光の部屋となる。3枚目の写真は、南東側に45度ずれた場所から撮ったもの。厚い壁が前面に飛び出し、全く違った印象を与える。この茶色の屋根が、「亀の甲羅」から受けた「詩的反応」なのであろう。4枚目の写真は、南西側からの写真で、裏側といった感じだが、同じ建物とはとても思えない。