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 サン=サヴァン・シュル・ガルタンプの修道院付属教会  
              Abbaye de Saint-Savin-sur-Gartempe 

【世界遺産】サン=サヴァン・シュル・ガルタンプの修道院付属教会は、1040~90年かけて翼廊、内陣、翼廊から28mほど離れた身廊の西端の3スパン(特殊構造)、その外側の北側に高さ77mの尖塔、3スパンの身廊と翼廊の間の6スパンという順番で作られた。完成すると、身廊の連続したヴォールト天井(中央の高さ17m)に壁画が描かれた。この教会が単独で世界遺産になったのは、この天井壁画があったればこそ。しかし、建築史を取った私には、壁画よりもファサードを入ってすぐの3スパン分の身廊の “他に例のない” 変わった構造と、大理石のように彩色された身廊の高さ15mの柱の方に目が行ってしまった。1枚目の写真は、尖塔が聳える外観。教会の壁は、ゴシックではないので、大胆な補強はなく、小さな窓の間に僅かな突起がある程度。2枚目の写真は、翼廊の交差部から4スパン目の身廊から、ファサードの方を撮ったもの。右から数えて4本目の柱に注目されたい。この柱のアーケード側の半円柱は、3本目の1本柱と同じ高さだが、柱頭に飾りはない。そして、2本のように見えるこの変則的な柱の身廊側にはもっと高い半円柱が屹立し、その上部には、ヴォールト天井を支える円弧状のアーチ・リブが載っている。写真の左端には、同じような背の高い半円柱(アーケード側には背の低い半円柱も付いている)が立っていて、やはり天井のアーチ・リブが載っている。3枚目の写真は、翼廊の交差部から5スパン目までの、身廊のアーケードをつなぐ背の低い柱を撮ったもの。そして、この部分の半円状の天井には長さ約28mにわたって何の支えもなく、そこに天井画が描かれている。つまり、そこに天井画を描くために、ファサードから入ってすぐの身廊の3スパンと、翼廊の交差部で、その間の天井を強靭化するという特殊な構造が採用された。ユネスコが好きな天井画には、創世記と出エジプト記の場面が描かれているが、その中での一番人気は「ノアの箱舟」。3枚目の写真の右上をよく見ると、天井画は中央から左半分が写っている。天井に近い方の列は、右端から、「ノアに指示する神」、「ノアの箱舟と放たれる烏」、「箱舟を出る」、柱に近い側は、「雲の柱」、「民を率いるモーゼ」、「火の柱に導かれたイスラエル人」、「イスラエル軍を率いる神の天使」。この中の「ノアの箱舟と放たれる烏」が有名な絵。考えてみれば、写真を撮らなかったのは私の不徳の致すところなので、天井画をきれいに撮ったサイトの写真を4枚目に示す。ついでに、「ノアの箱舟」の拡大も5枚目に。