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 トゥールーズのサン=セルナン大聖堂  Basilique Saint-Sernin, Toulouse
 トゥールーズのジャコバン修道院   Couvent des Jacobins, Toulouse 

【世界遺産】トゥールーズのサン=セルナン大聖堂は、現存するロマネスク様式の大聖堂としては最大級。着工は11世紀末。最初の四半世紀で、内陣、翼廊、身廊が部分的ではあるが儀式に使用できる程度まで石灰岩と煉瓦で作られた。身廊の完成は1250~60年頃。身廊の構造は、オータン(Autun)では天井全体が尖頭アーチになっていて、それを尖頭アーチのリブが支えていた。それに対し、ここサン=セルナンでは天井全体が半円アーチになっていて、それを半円アーチのリブが支えている。似た構造として、サン=サヴァン(No.45)では天井画のために半円アーチのリブを撤廃し、両端で支えていたが、サン=セルナンでは無理なく12個のリブで約54mの長さの身廊を安全に支えている(1スパンが4.5m間隔、幅8m)。天井の高さは 21m。ゴシックで定番の3層構造ではなく、2層構造。この大聖堂のもう一つの特徴は、翼廊交差部の上に建てられた高さ65mの八角形の鐘楼。5層の煉瓦造で、下部の3層は上部が半円アーチの窓、13世紀後半に建てられた上部の2層は尖頭アーチに変わり、その前面に型の飾りを付けている。最上部の尖塔は石造。1枚目の写真は、身廊の横から鐘楼を撮ったもの。2枚目の写真は、身廊の内部。交差リブヴォールトのノルマンディーのロマネスクや、リブのない交差ヴォールトのヴェズレーに比べ、純粋な半円アーチのヴォールト天井はすっきりして気持ちがいい。それに、煉瓦と石の組み合わせも美しい。
 
 

 

トゥールーズのジャコバン修道院の一番重要な構造物であるジャコバン教会(Église des Jacobins)は、1230~98年という短い時間でほぼ完成した。特徴的なのは、サン=セルナン大聖堂よりも石材の使用を減らし、基本的には、身廊と内陣の天井を支える柱以外は、すべて煉瓦で作られた。この点、アルビのサント=セシル大聖堂(No.52)と同様だが、大きく違う点が2つある。一つは、通常は2列ある身廊の柱を1列に減らしたこと。これにより、側廊がなくなり、いわゆるホール式を思わせる内部構造となった(本当の意味でのホール式は、ランツフートのように、2列でありながら、身廊と側廊の高さを同じにした場合)。もう一つの点は、アルビでは城塞のような外観を持たせるため、身廊内部に補強柱を立て、それで交差リブヴォールトを支えた。城塞のような外観を必要としないジャコバン教会では、身廊の外側に大きな補強柱を立て、「飛梁と控壁」なしで交差リブからの外向き重力に持ち堪えた。修道院には必須の回廊は、教会堂が完成してすぐの1306~09年に作られた。柱と柱頭の植物文様だけは石。木造瓦葺の片流れ屋根を支えて石柱に伝えるのは煉瓦の尖頭アーチ。1枚目の写真は、内陣側から撮った「身廊を支えるため、凸型に突き出した壁」(100%煉瓦造)。2枚目の写真は、身廊の中央に1列の柱。柱は身廊の中央に建っているので、左右の天井高(28m)は同じにならざるをえない。3枚目の写真は回廊の中庭。モワサック(No.50)とよく似ている。